Hu氏らは、看護師健康調査(NHS)と医療従事者追跡調査(HPFS)のデータを利用し、対象者の脂肪摂取量を研究開始時から2~4年ごとに調査した。食生活と健康状態は最大32年間追跡された。追跡期間中に3万3,300人超の対象者が死亡した。
飽和脂肪やトランス脂肪の摂取量が多い人ほど、追跡期間中に死亡するリスクが高いことがわかった。たとえば、トランス脂肪の摂取量が2%高くなるごとに、期間中の死亡率は16%上昇したという。ただし、トランス脂肪は特に不健康な脂肪であり、米国の食料供給からは徐々に姿を消していると同氏らは指摘している。
同様に、飽和脂肪の摂取量が5%増すごとに、期間中の死亡リスクは8%上昇した。しかし、植物性の不飽和脂肪では逆の相関がみられ、多価不飽和脂肪または一価不飽和脂肪の摂取量が多いことは、11~19%の死亡リスク低下に関連していた。多価不飽和脂肪とは、ほとんどの植物性脂肪に含まれるオメガ-6脂肪酸や、魚類・ダイズ油・キャノーラ油などに含まれるオメガ-3脂肪酸などのことで、これらの摂取量の多さは余命の長さに関連していたという。
食事中の飽和脂肪を不飽和脂肪へと置き換えることが健康上のベネフィットとなると、今回の研究は示唆している。飽和脂肪のうち5%を同等カロリーの多価不飽和脂肪または一価不飽和脂肪に置き換えると、追跡期間中の死亡リスクはそれぞれ27%、13%の低下につながると述べている。
ただし、この研究は観察研究であり、特定の脂肪が特定期間中の死亡に影響することを証明するものではないと、Hu氏らは強調している。
米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のSharon Zarabi氏は、脂肪を摂ると体脂肪が増えるという誤解が一般的にみられるが、「水素添加油なのか、それとも植物性の不飽和脂肪なのかなど、食べているものを分析することが重要だ」と指摘し、「必須脂肪酸は、冷水魚(サケ、サバなどの魚類)、ナッツ類、種子、麻の実、アボガドなどに、元から含まれている。飽和脂肪が含まれている食品は、通常は加工・分解・水素添加された油脂、マーガリン、バター、動物性脂肪、高脂肪の乳製品などである」とアドバイスしている。
本研究は、「JAMA Internal Medicine」オンライン版で7月5日報告された,
More information
The American Heart Association has more on fats.
SOURCES: Sharon Zarabi, R.D., nutritionist, Lenox Hill Hospital, New York City; Mary Grace Webb, R.D., assistant director, clinical nutrition, NewYork-Presbyterian/Queens, New York City; JAMA Internal Medicine, news release, July 5, 2016
