2016年8月 7日 00:50
 いわゆる健康食品との因果関係が疑われる健康被害が報告されている。

■症例
・43歳男性 (アメリカ) が、幻聴、幻覚を生じ、その改善と痩身を目的にガルシニア・カンボジア、プロバイオティクス、「Brain Support」、「Brain Awake」、「Absorbmax」の5種類のサプリメント (朝鮮ニンジン、アセチル-L-カルニチン、ショウガ、ブドウ種子、緑茶、イチョウなどを含む) を摂取したところ、症状が悪化し、さらに異常行動、被害妄想、不眠、食欲減退を生じた。6ヶ月後に措置入院となり、摂取していたサプリメントの中止と加療により回復した
(PMID:27247830)

・大腸がんの既往歴があり、高脂血症のためロスバスタチンを摂取していた69歳男性 (日本) が、「にんにく卵黄」1粒/日 (製品記載の摂取推奨量1~3粒/日) を約4年間摂取したところ、労作時の呼吸困難、乾性咳嗽を生じて医療機関を受診。投薬治療により一時的に軽快したが、退院後症状が再燃したため再入院し、当該製品および入院直前まで摂取していた医薬品の中止と加療により回復した。リンパ球刺激試験 (DLST) で当該製品に対して陽性を示したため、これを原因とする薬剤性肺障害と診断された (2016212245) 。

・月経前症候群に伴う症状の解消を目的に、通信販売により入手したむくみ改善と痩身を謳った健康茶 (ティーバッグ 1包/日) を5年間摂取していた32歳女性 (日本) が、嘔吐、倦怠感、筋力低下を繰り返した後、起立不能を訴え入院。低カリウム血性周期性四肢麻痺と診断され、腎機能障害が認められた。血中電解質濃度と矛盾する電解質排泄および尿中にフロセミドを検出したため、当該製品を検査した結果、フロセミド (90 mg/1包) を検出。摂取中止によって症状は軽快したが、腎機能障害が残った
(PMID:14509222)

・10年前から常盤霊芝3000 (霊芝含有) 、ALFE (鉄含有) などの健康食品を摂取し、8年前にシェーグレン症候群と診断された71歳女性 (日本) が、咳嗽、発熱を生じて医療機関を受診し、肺炎と肝障害が認められたためすべての健康食品の摂取を中止したところ回復。感冒のため自己判断で常盤霊芝3000を再摂取したところ病状が悪化し、再度摂取を中止して加療により回復した。薬剤リンパ球刺激試験 (DLST) の結果、常盤霊芝3000が陽性を示したため、これを原因とする薬剤性肺炎と診断された (2015401309) 。

・粉ミルクのみを飲んでいた男児 (スペイン) が、皮膚炎を発症したために医師から食事を変えるように指示を受け、2.5ヶ月齢から混合食を始め、6ヶ月齢から11ヶ月齢の間、「EcoMil」製のアーモンドミルク、アーモンド粉末、ゴマ粉末に、少量の玄米、シリアル(玄米およびアワ)、乳酸菌製品「Lactosul GG」を添加した混合食を与えられていたところ、ビタミンC欠乏を原因とする、成長障害、神経過敏、大腿骨の骨折などを伴う壊血病を生じた。混合食を中止し、通常の食生活および加療により改善した
(PMID:26783325)

・28歳の妊婦 (オーストラリア) が、妊娠前より妊娠第一期を含む6ヶ月間、アーユルベーダ製品を2粒/日、摂取していたところ、妊娠20週で胎児の肺、腎臓の発育不全が見つかり、出生2日後に呼吸不全により死亡した。アーユルベーダ製品による母親の鉛中毒が原因の発育不全と考えられた
(PMID:26654614)

・72歳男性がリコリス、ペパーミント含有のティーバッグ (8包/日) で淹れた茶を3ヶ月間摂取したところ、空間識失調、高血圧発作、重度の低カリウム血症を生じ、当該製品との因果関係はprobableと判断された
(PMID:26948409)

・30歳男性が痩身を目的に、ダイダイ、茶、ガラナ、コレウス・フォルスコリ含有のカプセルとイワベンケイ含有の錠剤を摂取したところ (摂取量不明) 、2ヶ月間で18 kgの体重減少を呈し、心筋梗塞を生じた。当該製品との因果関係はprobableと判断された
(PMID:26948409)

・40歳男性が性機能改善を目的に、朝鮮ニンジン、ガラナ、イエルバ・マテ (Ilex paraguariensis A. St. Hil.) 、マカ、ダミアナ、オーツ、トウガラシ属含有のサプリメントを1回摂取推奨量 (4錠) 摂取したところ、数時間後に一過性脳虚血発作を呈し、再摂取により同様の症状を呈したことから、当該製品との因果関係はcertainと判断された
(PMID:26948409)

・リウマチ性関節炎のためメトトレキサート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキンを服用していた50歳女性 (シンガポール) が、副作用を避けるため、自己判断により、これらの医薬品の代わりに中国伝統医薬品「Kebigutaijiaonang」を2年間摂取したところ、体重増加、血糖値やHbA1cの上昇が認められた。この製品を分析したところ、プレドニゾン、ヒドロクロロチアジド、ピロキシカムが検出された
(PMID:25037898)

・20歳男性 (アメリカ) が、ボディービルサプリメント「Friction」を4ヶ月前より断続的に摂取していたが、2~3杯/日 (表示は1杯/日を推奨) で4週間継続的に摂取したところ、右上腹部痛、膨張、嘔吐を生じ、摂取を中止。症状か改善したため、再開したところ約1週間で右上腹部痛、震え、息切れ、悪心、嘔吐、褐色尿ため受診し、急性薬物性肝障害と診断された。WHO-UMC基準で“Certain”と評価されたため、当該製品が原因と判断された
(PMID:25823877)

・26歳男性 (オーストラリア) が、ホエープロテイン粉末 (緑茶抽出物、グリーンコーヒー抽出物、アフリカマンゴノキ抽出物、ガラナ、ホエープロテイン、各種ビタミン、各種ミネラル含有) と痩身サプリメント (ガルシニア・カンボジア70%含有) を1週間摂取したところ、寒気を感じたため摂取を中止したが、倦怠感と黄疸を生じたため、摂取の10週間後に受診。肝機能の悪化と羽ばたき振戦を生じ、亜広範の肝壊死が認められたため肝移植を行った
(PMID:26763816)

・25歳パキスタン人男性 (イギリス) が、潰瘍性大腸炎の治療目的で中国ハーバリストの勧めで中国ハーブ製品「YanNan BaiYao」を2ヶ月間摂取したところ、重度の頭痛、一過性の断続的な右足虚脱を生じ、脳静脈洞血栓症と診断された
(PMID:22797968)

・オランダ中毒情報センター (DPIC) には、2009年6月~2013年6月にサプリメント製品「Iomax」による健康被害が11例報告された。患者は体重減少またはスポーツ能力向上目的で利用し、最少量0.5カプセル1回摂取で虚脱、吐き気、嘔吐、頭痛、発汗、胸の痛み、動悸、めまい、心拍増加、過呼吸、高血圧、筋硬直、不眠、不安などを呈した。該当製品の成分を分析したところ、アンフェタミン100~120 mg/カプセル、ジ- (β-フェニルイソプロピル) アミンが検出された
(PMID:24274383)

・高血圧のためアムロジピン、ヒドロクロロチアジド、メトプロロール、リシノプリルを服用中の63歳男性 (アメリカ) がアンチエイジング目的で自然療法プラクティショナーに勧められたサプリメント (メラトニン、テストステロン、マルチビタミン、EPA、DHA、ビタミンE、DHEA、成長ホルモン、プレドニゾロン、アスピリン、「Almour thyroid」、「Lipotain」、「Zymax」) を服用したところ (摂取量、期間不明) 、閃輝暗点、眼窩周囲の頭痛、意識消失を生じ受診。脳静脈血栓症、甲状腺機能亢進症、性腺刺激ホルモン欠乏が認められ、摂取中止と加療により改善した。
(PMID:23969472)