「今回の研究から、減量手術、とくに胃バイパス手術を受けた患者は大幅に減量できるうえに、減らした体重を長期にわたって維持できることが明らかになった」と、研究を行った米デューク大学(ノースカロライナ州ダーラム)のMatt Maciejewski氏は述べている。
減量手術は肥満治療に効果が高いとされているが、長期的に追跡したデータは少なかった。同氏は、10年間の追跡データに基づくこの研究は重要だとしている。
同氏らの研究チームは、胃バイパス術を受けた男女約1,800人と、肥満であるが減量手術や肥満治療を受けたことのない退役軍人5,300人強(対照群)を対象として、10年間の長期にわたる体重変化を比較検討した。
その結果、追跡開始から1年後の体重減少率は、減量手術を受けた群では平均で31%だったのに対し、手術を行わなかった群ではわずか約1%にとどまっていた。
追跡開始から10年後の時点では、減量手術を受けた群のうち564人の体重データが得られたが、当初の体重にリバウンドしたのは19人のみで、残りは減量した体重を維持していた。
さらに同氏らは、(1)胃バイパス術、(2)スリーブ状胃切除術、(3)調節性胃バンディング術の3タイプの減量手術による減量効果を比較した。胃バンディング術とは、胃の最上部にバンドを巻き付けて胃のサイズを小さくするもので、スリーブ状胃切除術とは、胃の大部分を切除してバナナ状のスリーブのみを残すもの。どちらの手術も患者は満腹感を早く得られるという。
追跡開始から4年後、胃バイパス術を受けた患者では当初の体重から28%近く減り、スリーブ状胃切除術では18%、胃バンディング術では11%減量できた。なお、対象とした男女の平均年齢は52歳で、4分の3を男性が占め、ほとんどが白人だった。
同誌の付随論説を執筆した米ウィスコンシン医科大学のJon Gould氏は、この研究は減量手術の長期的な転帰に関する重要な情報を含んでおり、「胃バイパス術は、スリーブ状胃切除術や胃バンディング術に比べて減量幅が大きく、減量効果を長期間維持できることが示された。若年の肥満患者では今後、胃バイパス術が選択されるようになるかもしれない」と述べている。
なお、Maciejewski氏は、対象者のほとんどが男性で、女性にはこの知見は当てはまらない可能性があること、また、減量手術を受ける女性の多くは30~50歳代であるが、本研究の対象者の平均年齢は52歳であること、さらに一部の対象者は追跡不能であった点など、研究にさまざまな限界があったことも認めている。
More information
To learn more about bariatric surgery procedures, visit the American Society for Metabolic and Bariatric Surgery.
SOURCES: Matt Maciejewski, Ph.D., research career scientist, Durham Veterans Affairs Medical Center and professor of medicine, Duke University School of Medicine, Durham, N.C.; Jon Gould, M.D., professor and chief of general surgery, Medical College of Wisconsin, Milwaukee; Aug. 31, 2016, JAMA Surgery, online
Last Updated:
