2016年10月12日 16:58
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卵巣がんによる死亡率は、世界の多くの地域で劇的に減少しており、経口避妊薬の使用がその主な理由だと考えられることがわかった。イタリア、ミラノ大学医学部教授のCarlo La Vecchia氏らの研究報告で、「Annals of Oncology」オンライン版に9月5日掲載された。

世界保健機関(WHO)のデータを分析した結果、2002年から2012年の間に、卵巣がんによる死亡率は米国では16%、カナダでは約8%減少したことが判明した。

同様に、欧州連合(EU)では10%低下していたが、一部の国ではさらに低下幅が大きく、英国では22%、デンマークおよびスウェーデンはそれぞれ24%低下していた。また、オーストラリア、ニュージーランドでも約12%低下した。一方、避妊用ピルの使用率が最も低い日本では、死亡率の低下は2%であった。

2020年までに卵巣がんによる死亡率はさらに低下すると予測され、米国では15%、欧州および日本では10%の低下が予測される。ラテンアメリカでは一貫した結果が得られておらず、アルゼンチン、チリ、ウルグアイでは同期間の死亡率は低下していたが、ブラジル、コロンビア、キューバ、メキシコ、ベネズエラでは死亡率が上昇していた。

Vecchia氏らは、「今回の研究は因果関係を証明するデザインではないが、卵巣がんによる死亡率が低下した大きな理由は、経口避妊薬の利用とそれによる長期にわたる卵巣がん予防である可能性が高い。

ほかの理由としては、更年期障害に対するホルモン補充療法の利用の減少、卵巣がんの診断・治療の向上も考えられる」と述べている。