この研究では腹部脂肪の量と質に着目しており、腹部脂肪と心疾患の関連性を示したものの、因果関係は示唆していないことに注意する必要があるという。
Fonarow氏は、「腹部深くにある内臓脂肪はインスリン抵抗性を増大させ、高血糖や2型糖尿病をもたらす可能性もあることから、皮下脂肪よりも不健康なものである。この研究から、ボディ・マス・インデックス(BMI)が正常または過体重の範囲にある場合でも、いわゆる『太鼓腹』の人は心血管リスクが高い可能性があることが示唆された」と指摘している。
今回の研究は、米国立心肺血液研究所(NHLBI)のCaroline Fox氏が主導したもので、フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)に参加した男女1,106人(平均年齢45歳)のデータを収集した。全員が腹部脂肪量を測定するための腹部CTを受けた。
6年にわたる追跡の結果、脂肪量の増大と脂肪密度の減少が、心疾患リスクの変化に関連していることが判明した。脂肪が500cm3増大するごとに、高血圧、高トリグリセリド血症、メタボリック症候群を新たに発症するリスクが上昇していた。
脂肪量の増加は全体的に心疾患リスク因子の発症・悪化に関連していたが、皮下脂肪に比べて内臓脂肪のほうがリスク上昇は大きかった。腹部の深い部分に脂肪が多い人には、高血糖、トリグリセリド高値、HDLコレステロール低値の有意な増加が認められ、この関連性は体重およびウエスト周囲径の変化を考慮しても有意なままであった。この報告は「Journal of the American College of Cardiology」10月号に掲載された。
同誌の付随論説の著者の1人である米テキサス大学サウスウエスタン医療センター(ダラス)心臓病学助教授のIan Neeland氏は、体脂肪の位置や種類を特定することにより、体重と身長から体脂肪を算出するBMIよりも価値のある情報が得られると指摘し、BMIのさまざまな限界に対処する新たな手法として、腹部スキャンを選択する時期に来ているとの見解を示している。
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SOURCES: Gregg Fonarow, M.D., professor, cardiology, University of California, Los Angeles; Ian Neeland, M.D., assistant professor, division of cardiology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas; Sept. 26, 2016, Journal of the American College of Cardiology
