2016年12月13日 18:28

「果物」の画像検索結果


果物をたくさん食べることの理由が、早くも、もう一つ見つかりました。新鮮な果物の定期的摂取によって、心臓発作および脳卒中による死亡のリスクが低くなるという関連が、中国での研究で見られています。中国における果物の摂取量は西洋人より少ない状態です

この研究は、2004年から2008年までの間に30~79歳の成人512,891人を募集して約7年間追跡したもので、その追跡人年は320万人年にもなりました。

調査の開始時点で循環器疾患の既往歴も高血圧症の治療歴もなかった被験者451,665を対象として調査期間中に記録された各件数は、循環器疾患による死亡が5,173件、主要冠動脈イベントが2,551件、虚血性脳卒中(血栓による脳組織への血流遮断)が14,579件、脳内出血が3,523件でした。

全体的に見て、新鮮な果物を毎日摂っていると回答した被験者は18%に過ぎませんでした。新鮮な果物を全くまたは滅多に食べないグループと比較して、新鮮な果物を毎日摂っているグループのほうが、収縮期血圧(最大血圧)と血糖値が低くなっていました。

また、この果物摂取グループのほうが、循環器疾患で死亡する可能性が40%低く、心臓発作などの主要冠動脈イベントを発症する可能性が34%低くなっていました。また、虚血性脳卒中を発症する可能性は25%低く、出血性脳卒中を発症する可能性は36%低くなっていました。

調査したどの疾患についても、果物の摂取量が多いほど予防効果の量が多くなるという正比例の関係が見られました。

血糖値が低いほど、また、血圧値が低いほど、循環器疾患のリスク因子は少なくなりますが、こうしたリスク因子は、上記の特定イベントのリスク低下にはほとんど関係しておらず、他の食事関連・非食事関連のリスク因子も同様でした。これは、果物摂取による別の何らかの効果が働いていることを示しています。(Du H, et al., Fresh fruit consumption and major cardiovascular disease in China.N Engl J Med. 2016 Apr 7;374(14):1332-43.)


【コンクリュージョン】

大病を予防するための食事を考える場合、果物は重要な構成要素となります。果物には、食物繊維、ビタミン、ミネラル、その他のフィトケミカルが豊富に含まれています。果物はその水分さえ貴重であり、1日に必要な水分を摂るのに役立ちます。