2017年1月11日 15:18
 ■タイトル
米国FDAが医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品の自主回収情報を公表 (161202)

■注意喚起および勧告内容
2016年11月30日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が医薬品成分 (シブトラミン) を含む製品「Ultimate Body Tox PRO」の自主回収情報を公表。米国FDAは当該製品を使用しないように、また、使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように勧告。

■解説
痩身を謳いダイエタリーサプリメントとしてインターネットや店舗で販売されていた当該製品は、米国FDAによる分析で医薬品成分であるシブトラミンが検出されたため、注意喚起が行われていた
。今般、業者 (Ultimate Body–Tox) が全ロットを対象に実施している自主回収の情報が公表された。現在のところ、当該製品との因果関係が疑われる健康被害については報告されていない。

■関連成分
シブトラミン (sibutramine)

シブトラミンは、1997年に肥満抑制薬としてアメリカFDAの許可を受けたが、日本では未承認。副作用として血圧上昇および心拍数増加などが報告され、心臓病の方は服用を避けたほうがよいとされている。アメリカ国内ではFDAの許可後、2003年8月までに54例の死亡事例 (うち30例は心血管が原因) が報告された。2005年8月、FDAはシブトラミンの使用停止に関する消費者団体の
請願書に対し、シブトラミンの使用に細心の注意を呼びかけ、その安全性を監視することにより、引き続き医薬品として承認していくことを公表した。しかし、心血管疾患歴のある患者では心血管疾患再発リスクが高くなるという欧州で実施されたSCOUT試験 (Sibutramine Cardiovascular OUTcome Trial) の結果をうけ、2010年10月、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでメーカーによる任意回収が決定。開発したメーカーはすでに販売・流通を中止している。2010年11月、インド医薬品規制当局 (Drugs Controller General of India、DCGI) も販売を禁止した。

■関連情報
米国FDAウェブページ (2016年11月30日、英語) →
「Ultimate Body-Tox Issues a Nationwide Voluntary Recall of Ultimate Body Tox PRO Found to Contain Undeclared Sibutramine」
外国製健康食品の入手や個人輸入等についての注意事項等→「健康食品や医薬品、化粧品、医療機器等を海外から購入しようとされる方へ (厚生労働省作成2012年版) 」