2017年2月20日 13:24

 ■タイトル
米国FDAがベラドンナを含むホメオパシー製品に注意喚起 (170130)

■注意喚起および勧告内容
2016年1月27日、米国FDA (U.S. Food and Drug Administration) が市販されているベラドンナを含むホメオパシー製品の分析結果を公表。これらの製品の使用を控えるよう勧告。

■解説
米国FDAは、国内でCVSおよびHyland’s Inc.が販売していたベラドンナを含むホメオパシー生歯製品の含有成分を分析した結果を公表。製品中のベラドンナアルカロイド (アトロピン、スコポラミン) やカフェインの含量は一定ではなく、製品に記載されている量を大きく超過する濃度のアトロピンやスコポラミンを含む錠剤が含まれているものもあった (分析の結果は
米国FDAウェブページを参照) 。

米国FDAは製品管理の杜撰さを指摘するとともに、成分含量が統一されていないこれらの製品は乳幼児にとってリスクになるため、使用しないよう呼びかけている。米国FDAは今回の分析結果をもとにHyland’s Inc.のホメオパシー生歯製品の製造を担当するStandard Homeopathic Companyに対してベラドンナを含む製品の自主回収を求めたが、現時点までに同社の同意は得られていない。

なお、米国FDAはホメオパシー生歯製品の健康リスクについて以前にも注意喚起を発表しており (詳細はこちら) 、2016年11月にはCVSの販売していた製品を含む複数の製品について、記載と異なる量のベラドンナ抽出物が含まれていたため業者による自主回収が行われた (詳細はこちら) 。

■関連成分
ベラドンナ(belladonna、学名:Atropa belladonnna)

ベラドンナは1年草のナス科の植物で、アトロピン、ヒヨスチン、ヒヨスチアミンなどの抗コリン(副交感神経遮断)作用のある活性物質を含有しているため、経口摂取することは恐らく危険である(94)。なお、日本ではベラドンナの根が「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に該当するため、該当する部位を食品に用いることはできない(30)。

■関連情報
米国FDAウェブページ (2017年1月27日、英語)
「FDA confirms elevated levels of belladonna in certain homeopathic teething products」
「Laboratory Analysis of Homeopathic Teething Tablets」
外国製健康食品の入手や個人輸入等についての注意事項等→「健康食品や医薬品、化粧品、医療機器等を海外から購入しようとされる方へ (厚生労働省作成2012年版) 」