2017年2月20日 12:48
 1-2 HDN1月12日「ヘルスハイライト」No.1


地中海食は高齢者の脳の健康維持に役立つ可能性があると、新たな研究で示唆された。論文は「Neurology」オンライン版に1月4日掲載された。

地中海食とは、地中海諸国でよくみられる食習慣で、果物、野菜、オリーブオイル、豆類、小麦や米などの穀物を中心とする。適量の魚、乳製品、ワインも摂るが、肉の摂取量は少ない傾向がある。

研究著者であるスコットランド、エジンバラ大学のMichelle Luciano氏らは、「地中海食は正常な認知機能低下、認知症、アルツハイマー病に対して防御効果を示すとの知見が蓄積されてきている。

今回の研究は、その機序が脳容積の維持にある可能性を示唆している」と話す。脳は加齢に伴って委縮し、脳細胞が失われることが知られているが、このことが学習と記憶に影響する可能性があるという。

研究では、70歳超で認知症のないスコットランド人約1,000人の食事情報を収集した。さらに半数超には73歳時に脳MRI検査を実施し、脳の全容積、灰白質、大脳皮質の厚さを測定し、3年後に401人を再測定した。

その結果、地中海食によく当てはまる食生活をしている被験者はそうでない被験者に比べて、大きな脳容積が維持されていた。学歴、糖尿病、高血圧、年齢などの脳容積に影響しうる他の因子を考慮しても、この関連性は維持された。

脳容積に対する影響力は、加齢が最も大きかったが、地中海食の影響力もその半分程度存在していた。一方、魚や肉の摂取量と脳容積に関連は認められなかったことから、地中海食のそれ以外の要素か、全体的なパターンが利益をもたらすと考えられると、Luciano氏らは指摘している。


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For more about diet and brain health, visit the Alzheimer's Association.

SOURCES: Michelle Luciano, Ph.D., researcher, University of Edinburgh, Scotland; Heather Snyder, Ph.D., director, medical and scientific operations, Alzheimer's Association; Jan. 4, 2017, Neurology, online

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