2017年10月13日 20:23

「黄斑変性症」の画像検索結果

 カロテノイドは、黄色やオレンジ色、赤色の色素群で多くの種類があり、この栄養素は、オレンジ色・黄色・緑色の果物や野菜に含まれています。最も広く知られているのは、おそらくβ-カロテンで、これはニンジン、サツマイモ、冬カボチャ、ホウレンソウその他の葉野菜、およびカンタロープ(赤肉種のマスクメロン)に含まれています。

カルテノイド群には、その他、α-カロテン、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチンなどがあります。α-カロテンとβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換することができ、β-クリプトキサンチンも同様です。カロテノイドはすべて、抗酸化特性と非抗酸化特性を有し、健康効果をもたらします。

ルテインとゼアキサンチンは、目の網膜と水晶体に見られる唯一のカロテノイドです。

加齢性黄斑変性とは、網膜の最も感度の高い部分(黄斑)における一種の劣化です。黄斑に変性が生じると、視野の真ん中がぼやけて見えるようになります。

そうすると、字を読んだり、車を運転したり、毎日の雑事をこなすのが困難になることがあります。また、顔を認識しにくくなることもあります。黄斑変性のリスク因子には、喫煙、高血圧症、高脂肪食、動脈硬化などがあります。

紫外線への過度の暴露を防ぐことが、黄斑変性のリスク低減に役立つ可能性があります。

カロテノイドと黄斑変性との関係を調べた研究では、まだ結果に一貫性がありませんが、ルテインとゼアキサンチンに黄斑変性の予防効果があることが示唆されています。

新たに行われた前向き研究では、女性63,443人と男性38,603人について、看護師保健調査と医学従事者追跡研究によるデータを評価し、1984年から2010年まで追跡しました。

この調査の開始時点で、被験者は全員、加齢性黄斑変性も、糖尿病も、循環器疾患も、ガンも患らっていませんでした。調査終了までには、この被験者に、中間レベルの加齢性黄斑変性が1,361件、進行した加齢性黄斑変性が1,118件見られました。

そこで、ルテインとゼアキサンチンの摂取量に応じて被験者を4等分し、上位1/4のグループと下位1/4のグループで加齢性黄斑変性の発症率を比較したところ、この2つのカロテノイドの摂取量が上位1/4にあったグループは、下位1/4のグループより、進行性加齢性黄斑変性のリスクが41%低くなっていました。その他のカロテノイド類については、25~35%のリスク低下との関連が見られました。中間レベルの加齢性黄斑変性については、カロテノイドによるリスク変化の測定はされていませんでした

。(Wu J, et al., Intakes of lutein, zeaxanthin, and other carotenoids and age-related macular degeneration during 2 decades of prospective follow-up. JAMA Ophthalmol. 2015 Dec;133(12):1415-24.)


【コンクリュージョン】

色彩に富んだ果物や野菜をいろいろ摂ることの理由が、ここにも一つありました。視力喪失のリスクを下げる効果は、ルテインとゼアキサンチンが最も高かったのですが、他のカロテノイド類にも、視力の保護効果が見られました。

ほとんどの場合、加齢性黄斑変性は不可逆性である(元には戻らない)ので、自分の視力を守るために自分ができる第一の手段は予防です。上記のカロテノイドはすべて、サプリメントも市販されているので、最適な食品を選んで食べていないときは利用できます。(ルテインのサプリメントはマリーゴールド由来です。)

また、別の一群の研究では、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、亜鉛、銅をサプリメントで比較的大量に摂ることによる加齢性黄斑変性の予防効果が示されています。

視力維持に最適な食品には、ホウレンソウ、ブロッコリー、コラードの若葉、ケール、ネクタリン、パパイヤ、ベリー類、オレンジパプリカ、ニンジン、サツマイモ、大豆食品、アボカドなどがあり、また、亜麻の実やクルミ、サケ、イワシなど、オメガ3のオイルを含む食品も最適です。