2017年10月13日 20:29

「心臓 ストレス」の画像検索結果


 冠動脈疾患がある患者さんは、冠動脈バイパス手術歴の有無を問わず、大抵の場合、心臓リハビリテーション・プログラムに参加するよう指導されます。これは主に運動のプログラムですが、食生活の改善も促されることがあり、これを合わせれば非常に有効なプログラムとなり得ます。

また、食事と運動の他に、ストレス管理も、こうしたプログラムの効果を高める可能性があります。

標準的なリハビリ・プログラムに、ストレス管理を加える効果を分析した新しい研究があります。この研究では、36~84歳の冠動脈心疾患患者151人を、総合的な心臓リハビリを12週間受けるグループ、もしくは、総合的な心臓リハビリ+ストレス管理トレーニングを12週間受けるグループのいずれかに無作為に分けました。

また、リハビリを受ける資格はあったが受けていなかった患者についても、対比サンプルとして調べました。そして、被験者全員の追跡を最長5.3年行い、臨床事象について調べました。

その結果、併用療法を受けたグループのほうが、不安も苦痛も少なく、感じているストレスも少ない状態でした。どちらのグループでも、冠動脈心疾患のバイオマーカー値に有意な改善が見られ、これは両グループ間で比較可能でした。

この調査期間中に臨床事象が見られた人数の割合は、リハビリ療法のみのグループでは33%でしたが、併用療法を受けたグループでは18%でした。リハビリ療法もストレス管理療法も全く受けなかったグループにおける臨床事象発生率は47%でした。

(Blumenthal JA, et al., Enhancing cardiac rehabilitation with stress management training: a randomized, clinical efficacy trial. Circulation. 2016 Apr 5;133(14):1341-50.)

たとえ、患者がストレス管理トレーニングをとくに要求していなくても、いつも心臓リハビリ・プログラムに含めるべきである、とこの論文では結論付けています。



【コンクリュージョン】

 ストレス管理には、単純な呼吸法から、メディテーション(瞑想)、ビジュアライゼーション法、ヨガ、太極拳、誘導イメージ療法などに至るまで、多くの方法が利用できます。

こうした方法は、ある程度時間を要しますが、2~3分の呼吸法やビジュアライゼーション法を1日数回行うだけでも効果が得られることがあります。

ビジュアライゼーション法も良いでしょう。目を閉じて、心の目に映る景色を楽みながら、自分が日常を離れてお気に入りの場所の一つにいると想像することができるからです。