こんにちは、酒井美佐子です。
今年もMSA主催のフォーラムの季節となり、カナダよりシャーリー・ヘシャック先生が来日いたしました。
私は、昨年に引き続き日本滞在中のヘシャック先生のお手伝いをさせていただいております。
昨日は、激しい雨の中、100名以上の薬剤師、医師、医療関係者のみなさまがお集まりになり無事にフォーラムが終了しました。
3名の先生方の講演がありました。
まず、金沢大学の医師、大野先生の講演が、「我が国の補完代替医療の現状
と課題」と題し、EBMの概念、がん用サプリで使用されているアガリクスやプロポリスの文献はPubMedでは、1,2件したないこと、つまり情報が氾濫し、正確なことはわかっていないということで、大野先生の研究班で臨床試験が始められていること、そして日大薬学部の井手口先生の講演は「サプリメントカウンセリングのナラティブアプローチ」と題し、患者さんは自分なりのナラティブ(物語)もち、医療従事者のナラティブ(EBMに基づく?)から両者が同意できる新しいナラティブに持って行く方法をわかりやく解説していただきました。サプリメントのカウンセリングをしていくとき、正確な知識と情報はもちろん、コミュニケーションテクニックを磨くことにより、よりよいケアを行うことができる・・・私も、これからカウンセリングを行うときのヒントをたくさんいただき、大変参考になりました。
基調講演のヘシャック先生の講演は、「カナダ政府の統合医療プログラム~CAM教育とヘルスマネージメントチームの全容~」と題し、カナダ政府によるNHP(ナチュラルヘルスプロダクツ)の規制、教育システム、プライマリーネットワークと医療従事者が患者情報を共有するウェルネット連携システムの話がありました。
規制の話では、安全性や有効性を政府が管理しているため、ラベルの記載方法をエビデンスレベルにより具体的に提示されていたのがおもしろかったです。
エビデンスレベルⅠ(良好にデザインされたRCTの系統的レビューおよびメタアナリシス)で、治療をうたえる商品として、北アメリカ人参抽出でジンセノサイドを除いた「COLDーFX 」は「感冒・フルの予防と緩和」とラベルに明記されています。
政府が管理している証拠に商品に「NPN」ナンバーがラベルに明記もされています。また副作用報告書も医薬品と同じシステムで、企業および政府に報告され、消費者に反映されます。
教育に関しては、ヘシャック先生はプロフェッショナルですが、MSA講座内容を大学でされているので、省略します。(今回の講演では、大学授業で使用したケーススタディが提示されました)
また、ヘルスマネージメントチームのツールとして、アルバータ州で「ウェルネット」という、どの医療機関に行っても、患者さんの医療情報(病歴、検査値、処方薬、OTC、NHP,アレルギー歴、家族歴)が共有できるネットワークの説明がありました。薬局での情報も記載でき、これからの患者フォローに有効なのは間違いありません。
ヘシャック先生のお話は、NHP先進国のカナダの現状を目の当たりし、日本の将来もこのように・・と希望を持ちました。
あっというまの3時間で、内容も深く、大変勉強になりました。
(写真:ヘシャック先生来日、大野先生と、井手口先生と)
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Posted by ぽぽ 2008年3月16日 14:13
今回のフォーラムに初めて参加させていただきました!
かなり充実した内容でした。
日経DIで酒井先生がこの講座を紹介されていた記事があって、勉強を初め、いままで他の資格の勉強もしましたが、
ずばぬけて役に立つ内容だと思います。もっと活かせるよう
勉強していきたいです。
もっとたくさんの薬剤師に知ってもらいたいです
ありがとうございましたー!!
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Posted by 酒井美佐子 2008年3月20日 23:26
ぽぽさん、フォーラムに参加されていたのですね。お話ししたかったです。1回目に続き、2回目のフォーラムも充実していました!ぽぽさん、どこかのセミナーなどでお会いする機会があれば是非、声をかけてくださいね!私も、薬剤師や医師の先生方に広がっていけばいいなあと思っています。