プロフィール
名前:酒井美佐子
平成4年東邦大学薬学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院にて病棟臨床薬剤師として9年間勤務後、カナダアルバータ大学・アメリカコロラド州立大学病院統合医療センターの研修を経て、平成15年統合医療ビレッジ薬剤部長。平成20年4月よりビオセラクリニック薬剤部長。日本ホメオパシー医学会認定薬剤師。ハーバルセラピスト。
大学(東京薬科大学、東邦大学、城西国際大学)や薬剤師卒後教育講座、一般向け講座にて、薬剤師の立場からサプリメントやハーブの正しい摂取方法などの普及につとめる。
薬剤師向け雑誌「日経ドラッグインフォメーション」連載、「ファーマネクスト」(じほう)、「デトックス・ダイエット」(幻冬舎)著書、「3日で毒素排出」(イーストプレス)監修など。

2010年ごろから、世界中で、注目されているビタミンがあります。それは、「ビタミンD」です。

 

2010年に、「認知症とビタミンD」「うつ病とビタミンD」「乳がんとビタミンD」「膀胱がんとビタミンD」「大腸線種とビタミンD」など、多くの論文が発表されました。

 

上記の疾病の人は、血中のビタミンD濃度が低いことがわかり、たちまち注目されたのです。

血中のビタミンDの濃度は、「血中25-OH-D値」として検査ができますが、残念ながら自己負担になります。

 

日本の正常基準値は1540ng/mlとなっていますが、世界的には、値が30 ng/ml未満では不十分、20 ng/ml未満で欠乏症、10ng/ml未満で重度欠乏症と判断されます。つまり、30 ng/ml以上の血中濃度が望ましいとされています。

 

この、「血中25-OH-D値」は、文献によって単位が異なることに注目ください。

日本では、「ng/ml」が使われますが、海外では「nmol/L」となっていることがあります。

 

「30 ng/ml」=「75nmol/L」ですので、注意しながら文献を読むことにしています。

 

ビタミンDはサバ、サケ、イワシなどの食事由来以外に、紫外線、つまり日光浴によって皮膚で合成されます。

 

皮膚での合成量は、紫外線暴露量に関係するため、血中ビタミンDは季節性の変動があります。2011年に日本人の疫学調査が発表され、日本人の潜在的ビタミンD不足が明らかになりました。オフィスワーカーのビタミンD欠乏の割合は7月が9.3%、1146.7%と日光に当たらなくなるほど、ビタミンD欠乏がみられたのです。

 

つまり、秋から冬にかけては、半数の人がビタミンD不足で、補充が不可欠ということになります。

 

疾病とビタミンDの関係がわかりつつあることから、アメリカでは新しいビタミンD推奨摂取量が改訂されました。

170歳 600IU15μg)、70歳以上 800IU20μg)、上限が4000IU100μg)です。

一方、日本人の摂取基準は15歳以上で200IU5μg)、上限が2000IU50μg)とかなりの差がみられます。

 

昨年の国民健康栄養調査では、平均摂取量は280 IU7μg)でしたので、十分摂取されていると国内では思われています。

 

 

ビタミンDと言えば、カルシウムやリンの吸収を促進して骨を健康に保つ、骨の形成に必要なビタミンで、骨粗鬆症の治療や予防で使われていましたが、

 

今や、免疫調整作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用などが見出され、健康保持や疾病予防のためにビタミンDサプリメントをおよそ1000IU 25μg摂取することが海外では推奨されています。

 

 

ただし、腎障害、高カルシウム血症の方は摂取できませんので、摂取したい場合は、専門家と相談し、可能ならば「血中25(OH)ビタミンD値」をフォローしていきたいものです。

 

 

2012年9月18日 12:03 | コメント(0) | トラックバック(0)

先日、日本大学薬学生涯教育講座第141回「最近のトピック」で、

医療現場からの報告-サプリメントと病態や医薬品との相互作用-という題名で講演させていただきました。

平日勤務の後、2時間講演にも関わらずご聴講いただきありがとうございました。

質疑応答から、薬剤師が現場でサプリメントと接する機会が増えていることを実感できた会となりました。

 

2012年9月10日 11:43 | コメント(0) | トラックバック(0)

CREA9月号で、サプリメントとOTCについてのコメントをしました。

1200636601.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日経Health9月号で、ガーデンハーブについての取材がありました。

1200635927.jpg

2012年9月10日 11:38 | コメント(0) | トラックバック(0)