去年のカナダ大使館のフォーラムで、シャーリー先生がお話していたアルバータ州の医療システム
『Alberta Net care』 についてです。 HPはこちらから http://www.albertanetcare.ca/
この『Alberta Net care』は、
をコンセプトに、患者と医療従事者が有益な情報提供&有益なサービスが提供できるように開発されたシステムです。
日本では、各医療施設ごとに電子カルテや保険薬局でのカルテなど情報が電子化さていますが、それらは各施設のみの閲覧であって、外では閲覧できません。
その点、この『Alberta Net care』 は、州政府が運営する患者医療情報のデーターベースとなり使用されています。
閲覧可能な情報として
・患者の基本情報
・薬歴
・アレルギー歴
・検査値
・診断画像記録
・免疫的処置
・その他の医療記録などが共有されます。
アルバータ州の病院や薬局のコンピューターを介して、いつも最新情報が閲覧可能のうえ、サイト内に直接、情報を追加することもできます。
個人情報保護法は、日本同様ですので、閲覧可能な医師、薬剤師、看護師、その他の資格保有者は、アクセスするためにID、パスワードが与えられていて、非常に厳密に管理されています。
履歴も残るため、何か問題が起こらないように、常に監視されている状況になっています。
薬剤師は、『Alberta Net care』 にアクセスし、患者情報を得ることで、何回も質問する必要がなくなりますし、薬歴も簡単に入手できるため、時間の短縮にも、よりよい服薬指導にも生かすことが可能です。
また、日本とは異なる保険システムですから、病気になったらまず薬剤師に相談、病気になる前にセルフメディケーションという国民の感覚が日本とは違いがあります。
日本でも1類OTCには薬剤師の説明が必要になったり、サプリメントを扱う薬局も増えてきましたが、このようなシステムが導入されてもいいと国民に思われる、薬剤師になれるように日々勉強しなければならないと思いました。
日本医薬品卸勤務薬剤師会(千葉県支部)にて、「サプリメントについて」の講演をさせていただきました。
私の東邦佐倉病院時代の大先輩の薬剤師の先生からお声がかかり、1時間半ほど、サプリメントのこと、世界と日本の補完代替医療の現状、具体的なサプリメントカウンセリングの症例をお話しさせていただきました。
卸薬剤師の先生方は、普段臨床とはかかわりがありませんが、取引のある保険薬局や病院から、あらゆる質問の電話がかかってくるそうです。
そこで、サプリメントの質問があったときに、お答えできるような信用できるサイトをいくつがご紹介もしました。
講演後、私がお話しした「患者さんのおっしゃる 普通 です」 が、
いかに普通でないか・・・よくよくお話をきかないと、その方の全体像が把握できないことなど、そのとおりですねと、感想をいただきました。
私の講演後に「日本ケミファ」から 『ジェネリック』の講演がありました。
めったに聞けない最新のお話なので、私も参加させていただきました。
よく聞く話が、
医師や薬剤師は、先発品を好むため、ジェネリックをすすめていないとか、
同じ作用が継続できるのか心配とか、
添加物を変えるからアレルギーのことを患者に説明するのが面倒・・などなど。
日本ケミファによると
先発品が製剤特許もとっているため、先発品と同じ添加物は使えない・・・とか。
なるほど・・・・
ジェネリックはどのように出来上がるのか?
ジェネリックは、3つの試験がクリアになれば販売ができる。
1.規格及び試験方法
2.加速試験
3.生物学的同等性(溶出試験では、胃液pHから水までの溶出率を測定、人でのクロスオーバー試験で、ACUt及びCmaxが90%信頼区間で同等であるか)
また供給安定や販売年数も決められていて、売り逃げはできない仕組みになっているらしいです。
びっくりしたのが、、、
昔、ゾロ、ゾロゾロと言われて理由が・・・
1971年は、生物学的同等性試験は、家兎やビーグルで行われていたこと!(人でなかった!!!!!)
統計方法も t-検定 だった !!!
そういう製品が、いまだに出回っているそうです。(そういう製品は、試験をやり直してほしいですね!)
先進国中でもジェネリックシェアの低い日本
数量ベースだと アメリカ、カナダの60%以上にくらべて、、、、わずか 17%
金額ベースだと、イギリス、ドイツ、カナダの20%以上にくらべて、、、、わずか5%
けんぽ協会からのお知らせに、『ジェネリック医薬品希望カード』が同封されてきましたが、
もっと真剣にジェネリックの利用を考えようと思った講義をきかせていただきました☆