EBM(Evidence Based Medicine)の意味は文字どおり、医学的な根拠に基づいた治療をしようということですが・・・
私たちのような医療従事者にとって、日々発表されて蓄積される膨大な医学情報をフォローし、常に最新の情報に精通し、医療に反映させるのは、とても困難なことです。
そこで、コクラン共同計画(The Cochran Collaboration)というものがあります。
帝京大学の上記のサイトでは、日本語でコクラン共同計画についてとてもよくまとまっていますので、御覧ください。
コクラン共同計画とは、世界中の研究者たちが、テーマごとに世界中の医学文献を網羅的に検索し、質の高い臨床研究報告を体系的に選び出し、統計的な手法でとりまとめ、全体として何が言えるかを簡潔にまとめ、オンラインで公開しているものです。
コクランの報告は、現時点でのそのテーマについての、極めて信頼できる専門家見解だと言うことができます。これを読めば、自分でいちいち数多くの原著論文を読まなくとも、医学的な根拠の現状がわかります。そして大きな間違いの無い医学的な判断をすることができます。(コクランレビュー英語版)
私は、日経ドラッグインフォメーションで、昨年から「薬剤師必修!サプリメント基礎講座」という各疾患別のサプリメントを各論ごとに論文も含めて書いていますが、ここでもコクランレビューからの抜粋を多く使用しています。
サプリメントに関してのレビューも毎回数本、掲載されています。
今月、アメリカFDAの警告で、Total Body Formula と Total Body Mega Formula というダイエットサプリメントが回収されました。
原因は、含有するセレンが製品ラベル記載の200μg の実に 200倍の4000μg だったため副作用の脱毛、筋肉痙攣、下痢、倦怠感が出現したとういこと。詳しくは・・・
セレンのサプリメントというと、ガン用サプリメントの利用が多いと思います。ヨーロッパのサプリメント療法では、セレンを200μ~500μ/日を摂取するのも頻繁に行われていますので、市販されている海外のサプリメントは1錠100μg だったりと高容量です。ヨーロッパでは、ガン患者のセレン血中濃度が低いこともあり、使用されています。
日本人は、セレンを多く含む食品は、昔から日本人がよく食べてきた魚介類です。ですから、日本人は、不足することのない栄養素といわれてきました。
しかし、食生活の欧米化に伴 い、魚介類を摂取する人が減ったり、極端なベジタリアンの人も多くなり、セレン不足の人も少しずつ増えてきまし た。
セレンには、抗酸化作用が非常に強く、ビタミンEの50~100倍とも言われています。ただし、摂取量が多すぎると今回のように健康被害が出てしまいます。
皆さんがよく見るマルチビタミン・ミネラルのセレンの部分をチェックしてみてください。2,30μg のものから、100μgの製品までいろいろとありますよ。
こんにちは。
桜も散り始め、新緑がきれいになりつつあります。
新年度もはじまり、フレッシュマンも周りにたくさん入られてきましたか?
私もこの4月から5年間勤めた統合医療ビレッジを退職し、東京女子医大関連施設のビオセラクリニックに転職しました。
クリニック内での薬剤部開設とともに、サプリメント・ハーブなどの自然療法のカウンセリングルームNathera(ナセラ)をオープンします。また、みなさまにお知らせできたらと思っています。
さて、春ということで「何かを学ぼう!」という人も多いかと思います。
皆さんは、何を学ばれますか?今春スタートのMSA受講者も多いようですね!
さてさて、
昨年より東京理科大生涯学習センターの講師をさせていただいておりますが、その講座のインタビュー記事が東京メトロのフリーペーパーに掲載されています。駅に置いてありましたら、お手に取ってみてください♪
この講座は、一般女性を対象とした健康講座で、「女性のためのハーブ&サプリ自然療法」という内容の全3回です。昨年受講していただいた方は、30~60代。特に40代の更年期、メタボ、ガンの心配をされている女性の方が多く集まりました。そこで、予防的に使用できるハーブティー、食材、生活習慣のお話をさせていただきましたが、何かひとつでも継続して生活に取り入られる方法を、各人が始められています。(6月講座は3月に定員いっぱいで受け付け終了しました)
講座を開催して思ったことは、一般の人は「とんでもない」ことも、時にしてしまうことを改めて知ったことです。
たとえば薬局で、座薬の挿入説明をするとき、「アルミを剥いて・・・」なんて省いてしまいますよね。その結果、あの包装のまま、入れてしまう人がいたり・・・など、「えっ~~~!???」って思うことをしてしまう人がいるんです。
ハーブやサプリメントの世界では、こんなこと以上にいろんなパターンで起こっています。
「イチョウ葉のお茶がいいと聞いたから、拾いに行って、煎じて飲んだら湿疹がでた。」
「庭のハーブをお風呂に入れたら湿疹がひどくなった。」などなど
自然に手に入りやすい名前だと、そのものを使用してなんとかしようっていう一般の人、本当に多いです。
薬剤師が一般に人に何かを説明するとき、目線をかえて話す必要があるということを学びました。伝えたいことが、相手に伝わったのか、もう一度、本人の口からリピートしてもらうのが、一番いいのでしょうが。