プロフィール
名前:酒井美佐子
平成4年東邦大学薬学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院にて病棟臨床薬剤師として9年間勤務後、カナダアルバータ大学・アメリカコロラド州立大学病院統合医療センターの研修を経て、平成15年統合医療ビレッジ薬剤部長。平成20年4月よりビオセラクリニック薬剤部長。日本ホメオパシー医学会認定薬剤師。ハーバルセラピスト。
大学(東京薬科大学、東邦大学、城西国際大学)や薬剤師卒後教育講座、一般向け講座にて、薬剤師の立場からサプリメントやハーブの正しい摂取方法などの普及につとめる。
薬剤師向け雑誌「日経ドラッグインフォメーション」連載、「ファーマネクスト」(じほう)、「デトックス・ダイエット」(幻冬舎)著書、「3日で毒素排出」(イーストプレス)監修など。

医療機関向け専門情報紙、メディカルニュートリション(CMPジャパン株式会社)でNathera(ナセラ)ことが一面記事になりました。

東京女子医大関連施設である「ビオセラクリニック」内に、FC展開される自然療法施設であるナセラが開設されたことは、業界でも大きな話題になっているようです。

私は、院長の谷川啓司先生のもと、クリニック内で従来の薬剤業務のほかにナセラでのメディカルサプリメントアドバイザーとして勤務しています。

クリニックには、現在、サプリメントやハーブを飲んでいるけど、これでいいのかしら?という不安、飲みたくて探しているけどどのような製品が自分にあっているのか分からない…といった様々な患者さんがいます。

そこで、究極の患者サービスである「カウンセリングルーム ナセラ」が開設されたわけです。

ナセラでは、カウンセリングがメインです。

ナセラ専用カルテを作成し、一般カルテとは違う 「もっと生活に密着した内容」を深く聞き込み、記載していきます。

食事内容や食事の時間、運動、薬歴(処方薬以外にも、OTC、サプリメント、普段の飲料水まで・・・)、家族歴、嗜好品、アレルギー歴、現病歴、症状などなど聞き込みます。

それによって、現在飲んでいるサプリメントに 「相互作用の心配がないか」 「病歴から摂ってはいけない素材でないか」 「術前・ケモ・放射線療法の注意事項」 などなど、それぞれの患者さんに必要な情報をお伝えします。

⇒MSAを受講された先生方は、各サプリメント各論の禁忌や相互作用をチェックしてください

先日、カウンセリングに訪れた患者さんは、高齢のおばあちゃまでした。よく新聞広告でみるサプリメントを注文し、飲まれていました。その広告には、「疲れている方」「血流の悪い方」・・とあったため、自分がそうだと思い購入されました。高齢だからと、ラベルにある量の半分を摂取していたのですが。。。

飲むとどうしても、調子が悪い(体がカッ~とする、ふらふらする)のですが、半年飲み続けていました。

その方は、狭心症疾患患者で、ヘルベッサーRを服用中でしたから、その素材と相加作用で、ふらつき感が強くでてしまってたようです。

いい素材でも、適材適所でなければ、サプリメントは害になってしまうこともあるので、これからも啓蒙活動していけたらうれしいです。

また、ナセラもFC展開され、メディカルサプリメントアドバイザーの認定を受けた先生方の職場範囲が広くなる可能性を期待しています!!!

 

main.gif
IMG_2298.gif
IMG_2292.gif

 

 

2008年6月30日 12:11 | コメント(0) | トラックバック(0)

今年の夏の東京理科大生涯学習センターの講義が終わりました。

毎回、3回連続講座で、「サプリメント&ハーブの基礎」「デトックス(毒素排出)」「女性ホルモン疾患」「メタボリックシンドローム」「免疫」について話をさせていただきました。

女性のための・・・ということで、女性しか集まらないのだろう・・・と思っていましたが、中には男性の受講者もいて、ややびっくりしながら(笑)の3日間でした。

いつも定員60名のところ、キャンセル待ちをしていただいて聞いてくださる受講者のみなさま、ありがとうございます。

次回は、11月29日、12月6日、12月13日の予定です。

 

2008年6月29日 21:22 | コメント(0) | トラックバック(0)

ASCO(American Society of Clinical Oncology 米国臨床腫瘍学会)が、シカゴで5月30日~6月3日に行われました。

毎年開催されているこの学会、がん専門医の中ではもっとも権威のある学会として知られ、日本からも多くの医師が参加されています。

この学会で発表された臨床結果により、がん化学療法のレジメンが変わっていくと言っても過言ではないでしょう。

がん専門薬剤師を目指されている先生方にとっては、とても貴重な情報なので、チェックされている方も多いと思います。

 

そんなASCOでも、がんとサプリメント、食事などのテーマで発表されることがあります。

今回は、乳がんとビタミンDについての報告があったので、簡単にご紹介します。

 

カナダ・トロント大学のPamela Goodwin氏らが発表した前向きコホート研究によると、

「ビタミンDの欠乏は、診断時の乳癌患者では日常的にみられる状態で、十分なビタミンDがある患者はたったの24%しかいなかった。今回の調査からは、ビタミンDの欠乏は、腫瘍の悪性度と相関していることが分かった上、長期的な再発や死亡のリスク増加との関連もみられた 」 とのこと。

それでは、サプリメントでの補充はメリットがあるのかという質問に対しては、実際の臨床場面で、骨の健康のための推奨量より高用量のビタミンD補充をアドバイスするのは時期尚早で、今後も検討が必要とのことだそうです。

 

また、ニューヨークのコロンビア大学K. D. Crewらが発表した研究では、

「乳がんと診断した時点で80%以上の女性がビタミンD不足であること、400 IU/日のビタミンDサプリメントを1年間投与しても血中のビタミンD濃度は十分に上昇しなかった」と報告している。

このような報告が出てくると、日本では、「ビタミンDの大量摂取が、乳がん予防につながる・・・」なんて、出てきそうですが、まだ検討段階ということを知っておく必要があるようです。

ASCOにような権威ある学会で、サプリの研究結果も発表される時代になってきましたね!!!

 

 

 

 

 

 

2008年6月 9日 16:41 | コメント(2) | トラックバック(0)