2007年からはじまった「日経ドラッグインフォメーション」の「サプリメント基礎講座の連載」が、
Lesson36をもって終了することになりました。
4年もの間、ご愛読いただき本当にありがとうございました。
そのとき、そのときのエビデンスを解説させていただきましたが、
日経DIの編集者Uさんには、大変お世話になりました。
この場をお借りして御礼申し上げます。
DIオンラインの「酒井美佐子の「ハーブ&アロマの知恵袋」」は引き続きアップしていきますので、
忙しい勤務の憩いに読んでいただけたら嬉しいです。
もう9月ですね。
大きな台風が近づいているようですので、お気を付け下さいませ。
私ごとですが、
勤務する「ビオセラクリニック」の移転があり、ぴかぴかの職場で心機一転、励んでおります。
次回は、ビオセラクリニックについてご報告したいと思います。
先月、厚生労働省から平成21年国民健康・栄養調査結果が発表されました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000xtwq.html
私が毎回チェックしている項目は、
食生活・運動に関する状況の「栄養素等摂取量(性・年齢階級別)」や食塩摂取量、脂肪エネルギー比率などです。
傾向はいつもと一緒ですが、カルシウムや食物繊維、ビタミンB2、亜鉛などが不足していることが分かります。
ビタミンCも摂取基準の100mgは超えていますが、それでも少なめです。
この寒さで、「寒冷ストレス」も高まり、ビタミンCの消費量は高まりますので、柑橘類、イチゴなどた~くさん召し上がってください♪
摂れない方は、サプリメントでの補充でもOKですね。
今月から、日経DIの私の担当編集者Uさんが、プロデューサーを務めます「週刊!日経DI-TV」がスタートします。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/di/tv/
個人的には、川添先生の川添哲嗣の「ケースで磨け!質問力」が楽しみです!
私の連載コラム酒井美佐子の「ハーブ&アロマの知恵袋」は、次回は「フェンネル」です。
こちらもよろしくお願いします(*^_^
●「酒井美佐子のハーブ&アロマの知恵袋」がアップされました~☆
今回のテーマは、「ハーブティーをおいしくいれるコツ」。
前回までの6回は、アロマについて書いてきましたが、ここでハーブにスイッチいたしました。
たまにハーブ嫌いな人にお会いしますよね。
「ハーブティー???まずいから嫌い!」とスパ~っと切られたりします。
そんな人は、昔、ハーブティーを飲んで本当にまずかった経験があるからなんでしょう。
そんな私も、はじめてのハーブティーは、「生のミント&レモングラス」を自然レストランででした。。。
今思うと、、、ほんとに美味しくないハーブティーでしたよ。。。(涙)(いっぱい生を入れすぎて、強烈なにおいと味だったんです)
そんな経験を持つ私が、ハーブについてお伝えできるようになったのは、美味しいハーブティーの入れ方を知ったから♪
みなさまも、ぜひ♪♪♪
梅雨明けかのような日差しが続きます。
6月の薬事法で導入されたOTC薬販売制度がスタートし、ドラッグストアに勤める友人たちは、棚を変えたり、相談口を設置したりと大忙しの1か月だったみたいです。みなさんの職場でも、混乱は少し落ち着きましたでしょうか?
今月7月号の日経DIの特集では、そんな新・薬事法の育て方と題して、薬剤師がどんなことを意識して進めばいいかのヒントがたくさん詰まっていました。また、楽天の三木谷社長の「ネット販売」のインタビューも載っていましたし!
私のほうの連載は、「うつ病」です。セントジョーンズワート、SAMe、DHEAの3つの素材を取り上げています。全国的に心療内科の開業率が上がっているのをみなさん、ご存知でしたか?病院や薬局では、あまりうつ病で休職している人とかはあまりないかと思いますが、企業内では、ほんとに多いそうなんです。春に受けた「心理相談員」研修は、企業の方が多かったので、切実な問題です。
サプリメントで、治る治らないということはさておき、いろいろな症状でサプリメントを使うとき、薬剤師的にEBMが気になるところでしょう。
そこで、改めてEBM(科学的根拠に基づいた医療)について考えてみました。
EBMの手順として、次の5つのstepが提唱されています。
- Step 1 目の前の患者についての問題の定式化
- Step 2 定式化した問題を解決する情報の検索
- Step 3 検索して得られた情報の批判的吟味
- Step 4 批判的吟味した情報の患者への適用
- Step 5 上記1〜4のstepの評価
過去のEBM教育ではこのStep 1〜3が重要視、つまり、どれだけ良い臨床研究を見つけたかが第一だったわけですが、
実は、「Step 4 批判的吟味した情報の患者への適用」、問題の解決に向けて、得られた医学情報のほかに、一般常識や患者の希望を含めて、最良の選択肢を相談することが最も重要ということ。
British Medical Journal のここの論文にあるように、科学的根拠、医師の専門性、患者の価値観の3つからなるもの。
サプリメントに関しては、この科学的根拠(リサーチエビデンス)の円が小さいないまたはないわけですから、他の要素をもって医療を行わなければならないということ。
特に患者さんの価値観には、もっと耳を傾けるべきなんでしょう。
私はそこで、カウンセリング上で2つのことを心がけていることにしました。
「患者さんが持ってきたサプリメントを全否定しないこと」
「サプリメントの基礎知識を教えた上で、患者さんに気づきを与えるようなアドバイスをすること」
もちろん、患者さんが損をする(害になるかもしれない)ようなサプリメントを使っているときは、その理由を説明することで納得してくれますし、薬との相互作用とかは、薬剤師が得意分野とできることなんでしょう。
連載依頼を受けてから、どのような形式で薬剤師の先生方にお役にたてるだろうと編集者との協議を重ね、出来上がったのがこの「サプリメント早わかり表」と「エビデンスを解説し、不向き・向き」をコンパクトにまとめたものでした!
いつも日経DIのプレミアムページを切り取ってくださり、ファイリングされて下さっている先生方、ありがとうございます。
サプリメントを勉強するにおいて、一番興味のあることは何でしょう?
薬剤師としては・・・「薬との相互作用」 「有効性エビデンスレベル」 「禁忌」 「作用メカニズム」 「副作用」 が大きなテーマでしょう。
日本では、シニア世代の人口を占める割合が多くなり、この世代は健康問題にとても興味を持ち、また処方薬もたくさん服用している世代ともいえます。
アメリカのリサーチでは、この世代の約30%が少なくとも1種類のサプリメントを摂取しており、医薬品との相互作用による危険性が懸念されています。
このようなこともあり、アメリカを中心とする研究施設で、「医薬品-サプリメントの相互作用のメカニズム」が多く研究され、発表されています。
薬物動態的相互作用に関連したCYP (特に1A2 、2C19 、2E1、2C9、2D6、3A4)は、薬物の代謝に関与する代表的な酵素であるが、なかでもCYP3A4 は、全医薬品の約50%の代謝に関与している分子種であり、サプリメントである「セントジョーンズワート(代謝誘導)」や「ガーリック(代謝誘導)」など注意が必要です。
相互作用のエビデンスレベルも In vitro や動物実験からの低いレベルから、RCTや臨床試験、コホート研究からの高いレベルまで分類されていて、セントジョーンズワートやガーリックなどは比較的高いレベルで報告されているのです。
低いレベルだからといって、注意しなくてもいいというわけでは、ありませんのでご注意を!
それでは、今までの4か月分の連載を添付しておきます。活用していただけたら、うれしいです♪