プロフィール
名前:酒井美佐子
平成4年東邦大学薬学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院にて病棟臨床薬剤師として9年間勤務後、カナダアルバータ大学・アメリカコロラド州立大学病院統合医療センターの研修を経て、平成15年統合医療ビレッジ薬剤部長。平成20年4月よりビオセラクリニック薬剤部長。日本ホメオパシー医学会認定薬剤師。ハーバルセラピスト。
大学(東京薬科大学、東邦大学、城西国際大学)や薬剤師卒後教育講座、一般向け講座にて、薬剤師の立場からサプリメントやハーブの正しい摂取方法などの普及につとめる。
薬剤師向け雑誌「日経ドラッグインフォメーション」連載、「ファーマネクスト」(じほう)、「デトックス・ダイエット」(幻冬舎)著書、「3日で毒素排出」(イーストプレス)監修など。

7月13日、第4回日本腫瘍学会学術大会が都内で開かれ、ヘシャック先生(元カナダ・アルバータ大学教授)とケスラー先生(オーストリア腫瘍学会会長)が基調講演で招かれ、がんに対する補完代替医療とサプリメントの最新のエビデンスということでお話がありました。

今回は、約60名の医師が参加し、行われました。

ヘシャック先生からは、NHP(natural health products)の定義、がんに対する有効性、化学療法や放射線療法中の使用リスク、がんの予防・治療における大豆・リコピン・緑茶・セレニウム・ヤドリギ・レイシ・ビタミンC・カルシウム・ビタミンD・サメ軟骨などについての話がありました。

サプリメント素材ごとに、系統的レビュー、メタアナリシス、臨床試験の結果をまとめ、現段階での評価を示されていました。

また最後に、 NHPの有効性をより理解するためには体内での影響を実証するための新しいデザインの研究が必要で、具体的に、腫瘍の進行を促進させる複数の生化学的おようび生理学的経路、血管新生、上皮増殖因子受容体、Her-2/neu遺伝子、COX-2、NF-κB転換因子、プロテインキナーゼなどを対象とし、同時に正常細胞組織に対する毒性を最小限にしているかどうかの確認も研究していかなければならないことを総評で述べられていました。

(今回の詳しい内容は、MSA認定の方には、資料があとで配布されるようです)

また、ヨーロッパのがん補完代替療法の第一人者であるケスラー教授からは、がん=炎症である。また、がん患者は、感染を起こしている場合が多く、「歯周病」「白癬」など、がんの治療ばかりフォーカスするのではなく、同時にこれらの治療も行うこと、またがん患者の食事については、特に「炭水化物」「砂糖」の過剰摂取が再発リスクを上げるため、そのような食事をした場合は、同時にグルコマンナンなどの食後過血糖を抑えるサプリを利用するといいことなど話されました。

私も、臨床の場で、がん患者さんと接することが多いわけですが、患者さんは食事摂取カロリーが少ないからといって、わざわざケーキなどの甘いものを食べている方も少なくありません。そのような患者さんには、ビタミン・ミネラル・脂肪酸・タンパク質が考慮された濃厚流動食などをアドバイスすることが多くあります。

がん患者さんの治療は、3大療法(化学療法、手術、放射線)だけではないことを改めて感じました。

2008年7月19日 10:46 | コメント(0) | トラックバック(0)
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