JPHC Study (Japan Public Health Center-based prospective Study) とは、厚生労働省がん研究班による多目的コホート研究のことです。
各研究機関で、多目的コホートに基づくがん予防など健康の維持・増進に役立つエビデンスの構築に関する研究を行っています。
たまに新聞などで、「〇〇〇〇〇の摂取で、△△△△(病気)のリスクが、◇◇◇した」と日本の研究が発表されますよね。それです。
* ホームページは、JPHC Study で検索をしてください。今までの研究成果・内容が詳しく書いてあります
つい昨日も、「野菜プラス果物で、男性の食道がん予防の可能性」の研究が発表されたばかりです。
その内容は、
45歳から74歳の男性約3万9000人を対象に、食道がん(扁平上皮がん)の発生について追跡調査がおこなわれた。
その間に116人が食道がんに罹患した。
年齢や居住地域、喫煙、飲酒の影響を取り除いて関連を分析したところ、
野菜と果物の合計摂取量が最少のグループに比べ、最高のグループでは食道がんリスクが約半分に低くなった。
全体で低下の傾向を見ると、摂取量が1日当たり100グラム増加するごとに、食道がんのリスクが約10%ずつ低下した。
種類別には、キャベツ・大根・小松菜などが含まれる十字花科(アブラナ科)の野菜で、統計学的に有意な関連がみられた。
(これは、がんを抑制するとされる成分『イソチオシアネート』を多く含むためと思われる)
次に、喫煙習慣・1日当たり日本酒にして2合以上の飲酒習慣の有無の組合せで4つのグループに分けて調べたところ、両方有りのハイリスクグループで、野菜と果物の合計摂取量が高いことによる食道がんのリスク減少効果が最も大きいことがわかった。(1日当たり100gの摂取量増加でリスクが約20%減)。
結果、
野菜と果物の食道がんに対する予防効果が見られた。この関連は、食道がんのリスク要因である喫煙と大量飲酒習慣があっても見られたが、その効果は禁煙や節酒による予防効果には及ばない。
野菜と果物、特に十字架科野菜の食道がん予防効果の確認には、今後さらに多くの研究での検討が必要であると結論付けている。
がんの分野の食事療法のなかで、デザイナーズフードというのがありますが、これはそれを裏付けたひとつの結果ですね。
デザイナーズフード
:天然の植物週に存在するがん抑制さようのある主成分を主体にして、がんを予防する効果が発揮できるようにデザインされた食品のことで、1990年にアメリカ国立がん研究所が中心となって、約40種類の食品をがん予防に効果が高いといわれる食品をピラミッドで表現しました。
服薬指導の中でも、食事のことは患者さんからよく聞かれると思います。
がん家系の人で、食事内容を心配されている方には、このデザイナーズフードの存在、情報提供してあげると納得されると思います。
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