プロフィール
名前:酒井美佐子
平成4年東邦大学薬学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院にて病棟臨床薬剤師として9年間勤務後、カナダアルバータ大学・アメリカコロラド州立大学病院統合医療センターの研修を経て、平成15年統合医療ビレッジ薬剤部長。平成20年4月よりビオセラクリニック薬剤部長。日本ホメオパシー医学会認定薬剤師。ハーバルセラピスト。
大学(東京薬科大学、東邦大学、城西国際大学)や薬剤師卒後教育講座、一般向け講座にて、薬剤師の立場からサプリメントやハーブの正しい摂取方法などの普及につとめる。
薬剤師向け雑誌「日経ドラッグインフォメーション」連載、「ファーマネクスト」(じほう)、「デトックス・ダイエット」(幻冬舎)著書、「3日で毒素排出」(イーストプレス)監修など。

先日、ビオセラクリニックの院内勉強会で、友人でもあるサイモントン療法認定トレーナーの川畑伸子さんの講演がありました。

サイモントン療法とは、

アメリカの放射線腫瘍医で心理社会腫瘍医の、O.カール.サイモントンが考案した、がん患者とそのサポーター(家族など)のための心理療法です。現在では、がんばかりでなく、心的ストレスを起因とするさまざまな疾病に対して同療法が提供されています。

精神・心理面、感情面が人間の免疫機能に大きな影響を及ぼしていることは認識されていますが、現代医学では、それらの分野はほとんど網羅されていません。

同療法では、人間の本来持っている、バランスをとり自らを健康に導く能力を強化すると同時に、QOLを高めることを目的としているカウンセリング方法です。QOLを低下させる恐怖や苦痛、死に対するとらえ方を変えることも、QOLを高めることにつながります。

サイモントン療法では、「希望」を患者にもたせます。ここでの希望とは、「癌が治るかもしれない」のような憶測なものではなく、「信念」つまり「その人が得たい結果が得られると信じること」を学ぶのです。

そのための段階として、「イメージ療法」「喜び・生きがいワーク」「ビリーフワーク」「イメージの絵」「ストレスパターンと病気の二次的恩恵」「希望・信頼・内なる叡智(Inner Wisdom)・スピリチャリティー」「死生観」「患者のサポートとコミュニケーション」「二年間の健康プラン」とすすんでいきます。

私たち薬剤師は、日々、患者さんと接していて、そのコミュニケーション方法はどうでしょうか?

サイモントン療法の中の「患者のサポートとコミュニケーション」にヒントが見つかります。

ここでは、効果的な真のサポートとコミュニケーションの構築とミスコミュニケーションの解消について取り組むのですが、サポーター(私たち薬剤師も患者さんを支える一種のサポーター)とのかかわりは、癒しの課程に影響を及ぼすといいます。

サポーターの支援が患者にとって、好ましいものであれば、それは癒しの課程にも肯定的な反応をもたらしますが、サポーターが好ましくないものであった場合、それは患者にとってストレスの原因でとなり、病状を悪化させ得ます。サポーターが患者に施したいサポートでなく、患者が受けたいサポートを明確にし、効果的なサポートとコミュニケーションをここでは学びます。

真のサポートとは、患者の得たい結果をサポートする。つまり患者さんが主役なのですね。

薬剤師として、患者が自己判断で、いいと思ってしていることが、その人に悪い結果を及ぼす可能性がある場合、頭ごなしに「そんなことして!!悪化しますよ!」というのではなく、

「あなたの今やっている〇〇〇〇は、あなたのこれからの健康を害していくように見えます。」

「あなたの健康を健全に保つために、△△△△してほしい。」というように信頼を損ねないように。

あくまでも、患者さんが主役で、私たちはサポーターというスタンスを学んだ、そんな勉強会でした♪

 

2008年9月 1日 10:37 | コメント(0) | トラックバック(0)
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