プロフィール
名前:酒井美佐子
平成4年東邦大学薬学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院にて病棟臨床薬剤師として9年間勤務後、カナダアルバータ大学・アメリカコロラド州立大学病院統合医療センターの研修を経て、平成15年統合医療ビレッジ薬剤部長。平成20年4月よりビオセラクリニック薬剤部長。日本ホメオパシー医学会認定薬剤師。ハーバルセラピスト。
大学(東京薬科大学、東邦大学、城西国際大学)や薬剤師卒後教育講座、一般向け講座にて、薬剤師の立場からサプリメントやハーブの正しい摂取方法などの普及につとめる。
薬剤師向け雑誌「日経ドラッグインフォメーション」連載、「ファーマネクスト」(じほう)、「デトックス・ダイエット」(幻冬舎)著書、「3日で毒素排出」(イーストプレス)監修など。

『8月25日、日本医師会定例記者会見において、原中勝征・日本医師会長ならびに高久文麿・日本医学会会長は、24日に金澤一郎・日本学術会議会長が発表した『「ホメオパシー」についての会長談話』に全面的に賛成するとの見解を公表した。日医・日本医学会会長が連名で見解を出すのは「極めて異例」とのこと。

 

 金澤氏の会長談話は、ホメオパシーを「科学の無視」「荒唐無稽」指摘し、「ホメオパシーに頼ることによって、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性があることが大きな問題であり、時には命にかかわる事態も起こりかねない」「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されており、それを『治療効果がある』として治療に使用することは厳に慎むべき行為」とするもの。原中氏は、「これだけ科学が発達した世の中で、全く根拠のないことが新興宗教のような広がりを示すことに、非常に危機感を持たざるを得ない」と述べた。』

先日から問題になっている「乳児にビタミンKを投与させず、レメディを与えた助産師」から、日本医師会のホメオパシー発言につながりました。

私は、5年ほど前に「日本ホメオパシー医学会の認定薬剤師」の資格に合格しました。

(現在は、更新単位が足りず脱退になりました)

受講した理由は、

当時、代替医療のなかでホメオパシーという療法は、社会的な流れ(民間レベルで流行りつつあり)があり、諸外国でも薬局でホメオパシーレメディが多く売られていた現状も知っていましたので、薬剤師として「口に入れるもの」に興味があったからです。

。その講義は、薬学部の物質的なものとは全く違い、レメディを覚えるとときに「ものがたり」を覚えるような、とても不思議な感じでした。

学会は多くの医師や獣医師、歯科医が中心で、薬剤師はほんの数名合格していました。


MSAの講座の中で、コラムでいくつかホメオパシーが取り上げられていますが、

これはあくまで、「こういた代替療法も世界中で使われていることを知る」ということだと思います。


患者さんが治癒をされていく段階で、「プラセボ効果でも良くなればいい」という考えと

「何が効いたのかはっきりさせたい」という考えの医療者&患者がいると思います。

正直、、、ホメオパシーは私は前者のほうかな・・・と思っています。


そして、日本の医療の中で、今、民間レベルの資格をかざし医療行為のようなことをしている人もいるのが問題になっています。そんな中での、この事件です。。。

やはり危惧していたことが起きてしまいました。

私たち、薬剤師は、ホメオパシーという内容を知ることで患者さんに啓蒙活動をしていかなくてはいけない立場と思います。

実際、私の患者さんの中で、民間でのホメオパシーを信じ、膵臓がんでしたが、マーカーが上がっているにも関わらず、素人のホメオパスはレメディの好転反応と言い続け、クリニックに来た時はどうしようもなく悪化している状況で、とても憤りを感じたこともありました。

でも、患者さんは言いました「私がそれを信じたので、くいはないんですよ」って。

びっくりしました。でも、そんなことがあってはならないと今でも思います。

特にガンなどの命にかかわる人に、ホメオパシーだけでどうにかしようってこと自体がありえないのですから・・・。

精神的なことから病気になる方はたくさんいるので、そんな人がこれに頼り、自分を元気づけられるのであれば、それはそれで、いいことと思いますが。


結論は当分出ないと思いますが、ホメオパシーレメディを使用している患者さんは多くいるので、エビデンスに基づいた医療がメインであることを私たち、薬剤師は伝えていきたいです。

2010年8月27日 10:32 | コメント(0) | トラックバック(0)
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